野菜果物辞典
とよのか
いちご品種
はるのかイチゴに変わり、食味の良い品種を育成する目的により、農水省野菜試験場久留米支場でひみこイチゴにはるのかイチゴを交配し、とよのかイチゴが育成された。
糖度が高く酸味も適度にありフルーティーな香りが強く、食味がこれまで発表された品種の中でも最高と評価されている。
収量もこれまでのはるのかの2倍に近く、福岡県を中心に佐賀県、熊本県、長崎県などに一挙に広まった。
栃木県の女峰より一歩早く育成されたことや、品質の良さも幸いして生産、消費ともに年々増加しとよのか主産県の福岡県がついにイチゴ日本一だった栃木県と王座を争うようになった。
そして、東の女峰、西のとよのかと日本のイチゴを二分する時代を築いた。
しかし現在では再び栃木県の「とちおとめ」にトップを譲り、勢いは落ちてきているが「とよのか」の改良品種である孫品種「あまおう」などが盛り返してきている。


<基本情報>

●栄養価
ビタミンC、ペクチン、アントシアニン、ポリフェノール、カリウム
カルシウム

●効能
高血圧予防、利尿効果、風邪予防、便秘解消、ガン予防、歯槽膿漏を予防

●豆知識
いちごが人に食べられるようになったのは、じつは、石器時代。
石器時代というと、人は狩りや漁、木の実などを採取(さいしゅ)して生活していた。
その時に、野生のいちごをとって食べたのがおそらく最初だろう。
このころは現在食べているいちごの実だけではなくて、葉っぱや茎、根なども薬として利用していたといわれている。
それから、フランスやベルギーなどで、野生のいちごを持って帰って畑で栽培されていたというはなしもあるが、いちごが本格的に作物として栽培され始めたのは、約200年前からといわれている。
北アメリカと南アメリカからの2種類の野生いちごがヨーロッパに運ばれて、2つのいちごがかけあわされて、現在のようなおいしいいちごが誕生した。
野生のいちごに比べて、かけあわされたいちごの実の大きさは10倍にもなって、味の方もだんぜんおいしくなった。
そうして、いちごの人気が出て、世界中の国々で食べられようになるまでひろがったそうな。
実は、あれは、たくさんのタネのつけ根(花托:かたく)が大きくなったものなんだよ。
ももやりんごなどは、タネのまわりの子房(しぼう)が大きく育ってやわらかくなった果肉(かにく)の部分を食べているんだ。
しかし、いちごの場合は、たくさんのたねが、はだかのまま実についていて、子房がほとんど大きくならないんだ。
だから、みんなが食べているいちごは、いちごのまわりにたくさんついているタネのつけ根が集まってできた花托というものになるんだ。
いちごは、このような仕組みから、別名で偽果(ぎか)とも呼ばれている。

●見分け方

色鮮やかである
ヘタがみずみずしい。
でこぼこしていない。
つぶつぶが立っている。
表面にツヤがある。
いちごのいろいろ

(C)野菜果物辞典