野菜果物辞典

果物
パパイヤ科パパイヤ属

南メキシコ原産。現在では多くの熱帯の国々で栽培されている。まっすぐに伸びた茎の先に大きな葉をまとめてつける常緑性の小高木。葉は全体で長さ1m近い。長い葉柄があり、葉はやや掌状に大きく切れ込みが入っている。葉質は薄くて柔らかい。

パパイヤは多年生であり、背が高くなり、しかも次第に茎が太くなるるので、樹木と見ることができるが、茎は非常に柔らかく、台風に遭うとあっさりと倒れる。しかも、倒れたものが枯れると、1ヶ月も待たずに腐ってとろける。つまり全く木質化しておらず、その意味では全くの草である。沖縄でパパイヤ生産が産業として成り立ちにくいのは、勝手にそこいらに生えてくることとともに、台風に弱いことがあげられる。

熟すると黄色い果実で、粒々とした黒い種を中央に持ち、種の周りの果肉を食べる。タンパク質分解酵素のパパインを含む。沖縄では、果実としてより、むしろ野菜として扱い、青いものの皮をむき、果肉を千切りにして水にさらして炒め物にする。千切りのものが袋詰めでスーパーに並んでいる。根の一部は柔らかくまたデンプンを含むので、第二次大戦中に南方の島々に孤立した日本兵は、実を食べ尽くしたあとは根を掘って食用にしていた。

パパイアには日本に入ってきているもので2種類ありサンライズ種、ソロ種とあり、日本で多く出回っているのはソロ種で甘みも果汁も多く一年中手に入る。サンライズにはパパイア独特の臭みが少なく、熱帯果樹を食べ慣れていない人が食べるときに抵抗が少ない。水分が多くスルっと喉を通るので口当たりはさっぱりしているのも特徴。

パパイヤは生産地である台湾などで長寿の秘訣といわれているくらいに栄養価の高い果物として知られている。

 
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