野菜果物辞典
果実「ポポー」の原産は北アメリカ東部の中〜北部地帯で、バンレイシ科の中で唯一の温帯果実である。
耐寒性が強く、日本ではほとんどの地方の栽培が可能な果樹である。
日本では、明治27〜28年頃小石川植物園に植えられたのが最初で、続いて明治38年頃京都農事試験場に入ったと言われている。
その後少しづつ各地に広まり、特に戦後、大手種苗会社の通信販売等で扱われ、急速に各地に普及したようで、十王町でも戦後、開拓者の庭先に植えられていた。普及の理由は、病虫害に強く、無農薬で楽に栽培でき、果実が楽しめ、秋の紅葉が美しく、庭木向きであるからである。

特徴として果実に熱帯果実のような強い芳香があり、当時はこの西洋風の香りがいやな人も多く、わが国では果樹園としての栽培がなかったために、次第に「ポポー」の姿は数える程になっていった。

落葉性の高木で3m〜10m位になる。実生1〜2年生のうちは成長が緩慢であるが、その後旺盛となりよく伸び、5〜6年で結果しはじめ、12〜13年で盛果樹齢とばる。根はゴボウ根で移植を嫌う。
果実は熟すと橙黄色のものが多く、クリーム状で柔らかく、甘味が強く熱帯果実のような独特の強い芳香があり、食べると非常に美味しく、現代的な若者受けする味で栄養価も高く、ダイエット食品としての利用価値が高い。
食品のPH値は殆どが酸性で、果実においても全般にPH値は低いが、ポポーについてはPH値6〜7と高い。
果実の重さは、1個あたり100〜500gである。

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